日々帳

140字で足りないつぶやき忘備録。

2016年ふりかえりと2017年のこと

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2016年は秋に雪が降りました。と、昨年書いておくようなエントリーなのだけど、明日また明日と思っているうちに年が開けてしまいました。

荷物の整頓をしていたら、10代のころ書いた映画の感想が出てきてびっくりしたのですが、当時見た映画をもうまったく忘れていたりして、人の記憶ははかないものだなあと思いました。

美術館や映画のメモも二年、三年と続けていると、それなりのアーカイブになります。「なんだっけな」と探すのに自分のブログがとても便利で、そういうところでは、2017年以降もぽつぽつと続けたいなと思った次第です。

たとえば2016年に自分が何をしてたのかなんて、数年たてばほとんど思い出せないに決まっています。そんなわけで2016年を総括しますと、ほんとうに大したことは何もない年でした。なにもないように、セーブしながら日々過ごしてたのではありますが。

といいますのも、今年は長かった東京での生活をたたんで、実家へと帰る予定でいるからです。優柔不断の私は、この決断に一年と半年要しましたが、引継ぎ要員をなかなか準備してくれない会社のせいで、帰るタイミングがじわじわ伸びていて困っています。

実家はびっくりするほど離島なので、映画館はいちど廃館になったところを、心ある人が再興して、なんとか運営しているみたいです。足繁く通いたいなと思っていますが、美術館はありません。どうしよう。

私個人の意見として、美術展はやっぱり美術館とセットで楽しんでいたし、美術館行くのに普段着派もいるかもしれないけれど、私はお洒落して出かける派でした。ついでに書くと、美術館にしょっちゅう通うようになったのは失恋がきっかけでして、毎日泣いてばかりいる日々から逃れるための美術館でしたので、お洒落して鑑賞後にカフェで一服、みたいな流れは、当時の私には救いであったのです。

あとは、美術展の説明パネルは混んでない限りつぶさに読むので、キュレーターさんの企画意図や好みを感じられるのも好きだったし、絵の前に立って分かることもあるんですよね。画家も絵の前に立って構図や色の調整をしているわけで、そこにある身体性を追体験する、みたいなことが楽しかったです。そういうことを思うと、やっぱり寂しくもあります。

映画館も、クラウドファンディングや自主制作の映画(「この世界の片隅に」や「野火」、「LISTEN」「ソング・オブ・ラホール」…)は、まず東京などのミニシアターで上映されて、地方まで広がるか、DVDになるかは評判次第だったりしますよね。だから地方住まいの人が、こういった作品が見れるかどうかは、都会のアーリーアダプターたちの足にかかっているわけです。

なので、映画好きの人がもっと増えるといいなと思うのと、アート好きな人の書く充実したアート記事をたくさん読めるようになるといいなと思っています。他人任せだ。

このブログからミニシアター系の映画と美術館をぬいたら何が残るんでしょう。ナショナルジオグラフィックチャンネルの感想ばっかり書いているかもしれません。

2016年のことも少しだけ書いておこうと思います。東京にいれるのは今年が最後、という思いがあって、東京でないと会えない人に会いに行ったりしました。

ミヤギさんのことは森美術館の展示で知って、おなじ展覧会の企画でご本人のトークイベントがあるというので、再訪して行ってきました。

自分がもつ故郷への思い(これはけっこう複雑)を、なんとなくスルーしてきた私にとって、その複雑な思いへきちんと目を向けていることに、はっとさせられました。その心の底に渦巻くものから、どの国の人が見ても何か感じるような作品に昇華させているところも、私の中でミヤギさんの存在が特別なものになっている理由のひとつです。

どうせなので書いてしまうと、私の祖父はフィリピンの人で、育った島に絆を感じながらも、私の自己意識はその土地から少し浮遊しています。恋愛の対象が同性であるミヤギさんもまた、離島に育ちながら、アイデンティティはその土地にぴたりとは一致しなかったのではないかと思います。それでも東京に暮らす以上は「沖縄」というくくりに見られる。その歴史や政治性を背負いながら、故郷と個人の間にある隙間は、自分だけのものとして抱えていかなければいけない。その二層にある自身への問いに真摯であることが、私がミヤギさんに惹かれるところなのです。

お声掛けするのにすごい勇気が必要だったうえに、的はずれなことばかり聞いてしまったのでは…という思いがぬぐえないのですが、「(沖縄に帰るので)沖縄でも作品が見れるとうれしいです」と言ったところ、「自分もそういう日がくるといいなと思ってます」というようなお返事をいただいので、本当にとても嬉しかったです。

もうひとつは、ブログでもちょくちょく言及している、ニコニコ生放送で映画を解説するチャンネルがあってですね、けっこう初期のころからのファンで、たぶんほとんどの放送見てると思うんですけど。前々からオフ会やるかも、という告知があったので、とても迷ったのですが、これはもう東京にいるうちしか行けないかな。行かないと後悔するかな、と思って、公式告知があったとき申込みしたのでした。

オフ会なんて人生ではじめてでしたし、映画くわしいわけでもないし、当日はものすごい緊張しながら行ったので、こんなに緊張するならオフ会は二度と行かないと思ったくらいでした。でも参加された方たちやスタッフの方々がすごく親切だったので、ほんとうに感謝しかありません。

みんなで見る特撮ヒーローがあんなに面白いとは思いませんでした。DCコミックスのヒーローたち(スーパーマンバットマンほかいっぱい)のアニメ(ジャスティス・リーグ)がとくに良くて、家帰ってカートゥーンネットワークの番組表調べたりしたのですが、しばらく放送ないみたいで残念です。しかもDVDも途中までしか出てないんですね。

でもあとから思い返すと、緊張しすぎていたせいか現実味がなくて、後日の放送でホストのマクガイヤーさんが話しているオフ会の流れが、私の記憶と同じだったので、夢じゃなかったのか! と思いました。いま思い返しても、まだちょっと夢みたいな感じがします。

一区切りということで、このブログをお読みくださっている方にも、お礼をもうしあげておくべきかもしれません。たまにぽつっとつく非公開ブクマなど、たいへんうれしく思っています。

ブログをはじめた4年前は、誰も読まないかもしれないブログで、呼びかけ調の文章を書くのはいかがなものか、などどうでもいいことに戸惑いながら書いていましたが、そんなことを気にしなくなったのも、PV数があがってたまにブックマークをいただくことがあっても、世界はたいして変わらないと気づいたからです。

ひと様のブログを読むときは、いまだに私のスターやブックマークがその人の負担になりはしないか、レスポンスの義務感を背負わせてしまっていないか、と思ってしまうことがあります。

生活が変わってブログをまったく書かなくなるかもしれませんが、トマトの成長報告ばっかり更新しているかもしれません。読むも読まないも、気ままにおつきあいいただけると嬉しいです。