つらつら書く文章です。
君の名は。を見に行ってすぐ感想を書いたのですが、そのあと映画評論家の町山さんの解説を聞いていたら、あれっ過去作いろいろ思い違いしてるかも…と思って、検証する余裕もないし、ひとまず記事を下書きに戻しました。
続きを読むドイツの写真家トーマス・ルフの回顧展が東近美で開催されていまして、2013年のアンドレアス・グルスキー展に続くベッヒャー派の展覧会とのことで、注目を集めているらしいのですが、私が興味を持ったのは、美術展のレビュー記事を読んだのがきっかけでした。
熱いレビューです。あまり情報を入れずに観たかったので、記事半ばでとりあえずブックマークして、帰ってきてから読み直しました。
続きを読む続きを読む「この色は何から取り出したんですか」
「桜からです」
と志村さんは答えた。素人の気安さで、私はすぐに桜の花びらを煮詰めて色を取り出したものだろうと思った。実際はこれは桜の皮から取り出した色なのだった。あの黒っぽいごつごつした桜の皮からこの美しいピンクの色が取れるのだという。志村さんは続いてこう教えてくれた。この桜色は一年中どの季節でもとれるわけではない。桜の花が咲く直前のころ、山の桜の皮をもらってきて染めると、こんな上気したような、えもいわれぬ色が取り出せるのだ、と。
大岡 信「言葉の力」