日々帳

140字で足りないつぶやき忘備録。

牧志、壺屋焼物博物館と桜坂劇場

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やんばるアートフェスティバルと沖縄県立美術館の感想にねじこもうと思ったけど、結局こぼれてしまったいくつかをメモ。

曇りがちだった天気は次第にくずれて、最終日はとうとう雨。この日はモノレールで移動。久茂地川にそって走るゆいレールは、かつて水路からの風景を今は空中から眺めるかたちになって、新興宅地から古い町並みまでの移り変わりが、もう何往復して眺めても飽きさせません。

この日はひとまず牧志で降りる。国際通りから桜坂通りに入りしばらく行くと、やちむん通りに交差します。壺屋焼物博物館へ旅の空き時間の一、二時間すごそうと立ち寄りました。

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各地に点在していた窯を、王府の主導でひとつにまとめた壺屋焼。沖縄の焼き物には東南アジアからの影響とみられる「荒焼」や、中国の陶磁器を思わせる釉を施した「上焼」があり、さらに17世紀はじめに薩摩が派遣した朝鮮の陶工によって指導され湧田焼が始まるなど、海の向こうの方々から伝えられた技術が「やちむん」の中に流れ込んでいることに気付かされます。

明治にはいると有田焼などが安価で流入し、やちむんは衰退します。この低迷期を、柳宗悦民藝運動に触発された職人たちが新たな道を切り拓いたことで抜け出しますが、その頃の作品は作家性のようなものを帯びはじめて、とてもおもしろい。

バーナード・リーチの作陶した器も展示されていました。戦後沖縄をおとずれ、沖縄の陶芸家とも交流をもったというバーナード・リーチ、その影響は大きかったのではないかと思います。魚や鳥など生き物を主役にしたおおらかな線の描写や、荒さが残る質感が、沖縄陶芸の特徴になっていくように感じられました。

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超絶技巧をはじめ、明治期日本が海外の反応を映し鏡にして"日本の美"を作り上げていったように、近代以降の沖縄にもまた、自意識のめざめからもとめた"沖縄らしさ"があったのではないかと思えてならないのでした。

コカコーラの瓶からつくったコップなども展示。これは望んでそうなったわけではないけれど、沖縄の経緯が強烈に反映された品でもあります。陶磁器を軸に沖縄のさまざまな側面を見せてくれる焼物博物館でした。

やちむん通りには博物館だけでなく、焼き物のお店や工房、カフェもあるみたい。時間があればゆっくりしたかったけれど、この日は飛行機の時間もあって早めにおいとま。前日にも立ち寄った映画館へカフェランチを目当てに立ち寄りしました。

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今回の旅の目的は美術館に行くことと、映画館で映画をたくさん見ること。そんなわけで、旅立つ前に上映スケジュールをチェックしたのですが、ヒューマンドラマものが自分の満足度が高いと分かっていつつ、ドンパチ映画ばかりピックアップしてしまいました。

新都心のシネマQはシネコンで、国際通りを少し入ったところにある桜坂劇場はいわゆるミニシアター。ピカピカのビルが立ち並ぶ新都心と、飲み屋の看板が連なり猫が退屈そうにしている国際通り付近の古びた並びと、映画館をめぐって二つの風景を行き来するのは楽しかったです。

桜坂劇場では「バーフバリ 伝説誕生」「バーフバリ 王の凱旋」二作を上映していて、ほんとうに良心的な映画館だなあと感心しました。ただ私の行ったときには「伝説誕生」のスケジュールは終わっていたので、上映前のダイジェストでおさらいすることになりましたが。

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バーフバリーは映像にたいへんパワーのある作品で、始終ミュージックビデオを見ているような音楽感があって、しかも抑圧からの解放という物語におけるカタルシスもきちんと踏まえています。何を軸に物語を描くかという、その"軸"が音楽的な映像へシフトさせられるところなど、がつんとパンチを受ける作品でした。

翌日再訪したカフェはランチ定食が売り切れで、ケーキセットなどを注文する。冬の沖縄はそれなりに寒いので、あたたかいチャイを一杯。桜坂劇場、カフェもあり本や雑誌のセレクトショップもありと、住んでいたら絶対通ったなあ。また時期を見て映画館をめぐる旅を計画しよう。


関連情報

壺屋陶器事業協同組合
上焼と荒焼 | OIS 沖縄観光インフォメーションサービス
湧田焼
沖縄のマグカップの秘密・・・ | STUDIO TEMPEL