日々帳

140字で足りないつぶやき忘備録。

旅するルイ・ヴィトン展

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天気の良い週末、麹町にぽつっと出現したというルイ・ヴィトンの展示会場へ行ってきました。

期間限定の展示場とのことで、ちょこっと見てくるつもりが、けっこうな広さと展示数、見応えたっぷりでした。「旅するルイ・ヴィトン」と題されたとおり、旅をテーマに創業から今日までの軌跡をたどるスタイルで、見ているだけで遠く旅に出たくなる展示です。

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ルイ・ヴィトンの創業は1854年。旅の需要が広まった19世紀に、船積みに適した平たいトランクを作ったことが当たって、良い顧客を得ることに成功するヴィトンさん。さらに、トランクに引き出しをつけたり、ドレスを仕舞う専用のトランクを作ったり。

旅先に6個7個とトランクを積んで出かけのるが通常だった富裕層たち。用途に特化したヴィトンのトランクは、安全・頑丈に加えて、旅先にライフスタイルを運ぶような楽しさがあります。

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海だけでなく砂漠の旅も。映画「カサブランカ」や「モロッコ」の解説で、ヨーロッパの人々にとってモロッコはいちばん近い異国の地として人気があった、という記事を読んだ記憶があるけれど、トランクやバックといった旅の道具は、未知の土地への憧れとともにあったのでしょう。

トランクがクロゼットになったり、化粧台になったり、はたまたベットになったりするの、なにか既視感あるなと思ったら、ホイポイカプセルだ。子どもの頃あこがれた。ホイポイカプセルで家とかキャンピングカーとか出したりして。旅先にも充分な住空間を持ち運ぶ。

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あと、当時の雑誌も展示されていて、とくに女性を意識した表現が多いように感じました。新しい余暇のスタイルを提案することで、自立したひとりの存在という意識を、富裕層の女性たちを中心に後押ししてきた面もあるのかな。

旅すると題された展示は、さらに空へと。飛行機の模型などあって気が惹かれる。あと、当時の写真がいちいちかっこよくて、そちらのほうをたくさん撮り納めてしまうなど。そうして展示は列車の旅へと続いていきます。

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ライフスタイルを持ち運ぶヴィトンのアイテムは、さらに専門性を増し、紙とインク、タイプライター、書籍、はたまた画材を持ち運ぶバッグなどが出てきて、文房具系はどうも見ているだけでわくわくする。

食器やティーセットをおさめるバッグは、野点でもするんだろうかと思ってしまったけれど、少し進んで和物コーナーでは茶道具の収納具など出てきて、もう作ってないものなんかないんじゃないのっていう幅広さでした。

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終盤には、デミアン・ハースト村上隆草間彌生などのアーティストとコラボレーションした作品を展示。セレブたちの愛したルイ・ヴィトン的な展示も。白洲次郎所有のバッグとかそういうのを見ながら。顧客の信頼をかちえた鞄専門店は、それだけにとどまらず、いつしか時代を牽引する存在となっていたのでした。

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最後は職人さんの実際の手仕事を見れるコーナーがあり、各ブースをぐるりとまわって、展示数1000点のボリュームはなかなかなもの。ちょっとした時間旅行に出た気分にもなれるルイ・ヴィトン展でした。

予約なしで午前中に行ったけれど、のんびり見ていると、じょじょに来場者が増えてくる感じあった。せっかく無料なので、帰りに併設のカフェでキッシュをいただいて。美味しかったし、天気も良くてここちの良い空間でしたが、お店の人たちはすごく忙しそうでした。

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展覧会にいくと、いつもは真剣に説明パネルを読みがちなんですけど、肩の力を抜いて鑑賞できる感じがとても良かったです。人によっては真剣に見る人もいるかもですけど。