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日々帳

140字で足りないつぶやき忘備録。

旅日記 ひたち海浜公園と阿字ヶ浦海岸さんぽ

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旅行熱はあまり高くないほうなんですが、このところ連休があると、遠出して観光がてら地元の美術館へ行くのが、すっかり楽しみになっています。

水戸芸術館の企画展の評判を聞いていたので、前日に現地入りして、さて水戸近くの観光地となると、ここ、ひたち海浜公園。数日前に会社の後輩に「ネモフィラ見に行ってきたんですよー」ってスマートフォンの写真を見せられたばかり。時期的にちょうど見頃のようです。

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ひたち海浜公園ネモフィラ(秋にはコキア)の咲くみはらしの丘が有名ですが、ほかに草原エリア、砂丘エリアがあって、写真撮る人は樹林エリアがおすすめ。水仙の季節は終わりかけでしたが、初夏の花がたくさん咲いていました。

樹林エリアを寄り道しながらネモフィラの丘へ。菜の花に出迎えられて、その向こうに青い花の咲く丘があらわれます。

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潮風が吹くと小さな花はゆれて、花びらの裏側を白く光らせ、遠くまで波を広げてゆく。ちらちらと眩いさざ波に、しばし眺めいる。丘に広がる青色は、雪が積もったようにも見えます。

人はけっこう多かったけど、園内が広いのでさほど気にならずでした。みはらしの丘まで歩きましたが、シーサイドトレインなる園内循環バスがあったり、レンタサイクルも。サイクリングロードがきちんと設けられていて、すいすい走れるので、大人気の様子。

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海浜公園というだけあって、海はすぐ近くです。ネモフィラを満喫したあとは、阿字ヶ浦海岸まで足をのばしてみようかな、と心に決めていたのです。

Googleマップをたよりに北門へ出ると、「徒歩では通り抜けできません」の注意書き。車専用の道ということらしい。来たところに戻って路線バスに乗り換えるしかないのか…?

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入園受付のおねえさんに「阿字ヶ浦海岸に行くにはどうすればいいですか」と聞いてみると、「何で行きますか」「徒歩です」「えっ」と、一瞬とまどいを浮かべつつも、南門から出れば行けますよと丁寧に教えてくれました。どうやら歩いて行く人はあんまりいないみたい。

南門から県道247号線に出ると、車が行き交うほかは、ほとんど人の気配がない。海岸線を20分ほど歩くと阿字ヶ浦駅に着くはずで、20分というと、渋谷から原宿へ歩いたくらいの距離。近いとは言えないけど、歩けない距離でもない。躊躇する気持ちを奮い立たせる。

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そういえば今回、あしかがフラワーパークとどちらに行くか迷ったのです。見頃の時期の藤棚をいちども見たことがないから。結局ことしも藤は見れずじまいだったなあと思っていると、道端に咲いてた。247号線の道脇に、自生した藤。野藤だ野藤。テンションあがってたくさん撮り収める。

ランニングのおにいさんに怪訝に振り向かれたりしながら、ようやく海の見える県道6号線へとたどり着いたのでした。

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雲の出てきた午後。阿字ヶ浦海岸は、ぱらぱらと人の姿もあって、地元の子どもたちやドライブがてら立ち寄った家族が、波打ち際で遊んでいました。
旅館や売店は閉まっているところがほとんどで、海岸沿いは夏を待つ静けさ。

しばらく歩くと、次第にせばまる道の先に急な坂。車の往来もあって、地元の人も歩くことなんてあまりないんだろうな。坂を上り詰めた先に、酒列磯前神社が現れます。

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少し曇ってきて写真映えには欠けるけど、独特の風合いのある神社でした。
しだれ桜をそばにおく鳥居をくぐると、タブノキのうねる枝が長いトンネルをつくる参道に、ヤブツバキの赤が華をそえている。潮風が強くて、頭上で木の葉がごうごううなっていました。

海のそばの温暖な気候が、こういった樹叢を作り上げているのだそう。
きもだめし禁止と張り紙された掲示板のわきを抜けると、拝殿が目の前に。由緒ある神社らしく、境内は静かながら日々丁寧に手入れされているようで、清浄な空気が感じられました。

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艦これ巡礼地の大洗磯前神社は、兄弟神社とのこと。酒列磯前神社と二社でひとつの信仰となっているのだそうです。

大洗磯前神社よく知らなかったのですが、海に浮かぶ鳥居って惹かれますね。

大洗磯前神社 webサイト

旧社格は国幣中社と高いもので、近代社格制度とともにあったことがうかがえますが、古くからの土着的な信仰や、地形ゆえの表情もあって、魅力的な場所でした。

大洗磯前神社までは車で15分とのこと。さすがにこの日はあきらめましたが、海浜公園からドライブしながら、磯崎神社、磯前神社と巡るのもよさそう。とくにバイクでツーリングの人を見かけると、この時期、海沿いを走るのはさぞ気持ちかろうなあと。

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予定ではこの辺で阿字ヶ浦駅に向かうはずでしたが、まだ日も明るいし、少し気になっていた平磯白亜紀層にも行きたいな。

神社から海岸沿いを南にくだり、徒歩15分ほどらしい。池袋駅からグリーン大通り経由でサンシャインシティに行くくらいの距離だろうか。行ける気がする。

などと思い、さっそく参道から漁港にくだる階段へ。樹叢に遮られてたのか、ふいに潮の匂いが流れてくる。日は西に傾いて、港は高台の陰にはいってしまったけれど、遠く湾の向こうは西日に照らされて淡い金色を広げているのでした。

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漁港前の旅館宿を通り過ぎると、とたんに荒々しい波の打ちつける磯の風景へと変わります。

潮風のふきすさぶ寂しい風景をしばらく歩くと、高台に灯台を見つけました。わきに階段があるので、つい寄り道してしまう。磯埼灯台というのだそう。灯台って岬の先にわびしく建ってるイメージだったので、住宅街の中にひっそりあって新鮮でした。

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住宅街をぬけて、ふたたび海岸線へと。少しばかり後悔の影が差したのは、車道のわきをとぼとぼ歩くといったふうで、人の歩く想定でない道路だったから。
荒い波間をつき進む運搬船ワレニウス・ウィルヘルムセンの船影に、道行きの心を支えられる。

右手に岩礁のつづく風景に、列をなすように沖へとのびた岩が目に入ってきます。標識には「畜生岩」の表示が。なんいうネーミング。沖へ連なる岩礁は満ち始めた潮につかって、人に率いられた家畜のように見えなくもないけど。名前の由来は不明なんだそうで。

神々の降りたった"神磯"とも呼ばれるこのあたり、使役されるがままの生からの解脱を願って、身をかがめ連なる生類の姿でしょうか。

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アンモナイトの化石など発見されており、7,500万年前白亜紀終末期の地層であることが確認されたという平磯白亜紀層。大地の動きで一様に北に傾きを向ける岩礁のうち、この畜生岩のあたりだけ南に傾き、「逆列石(さかつらいわ)」とも呼ぶのだとか。

青木繁の絵画のような風景を歩く。昔はロマン主義絵画がどういうものかよく分からなかったけど、あるがままあること、その凄みへの尊厳かな。なとど、とりとめもないことを考えて歩きの疲れをごまかし、磯崎駅へ向かう。駅はここからさらに15分歩くのである。

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海岸線から坂道をのぼると、うってかわってのどかな田園風景。庭に花咲く大きな家も多い。

スマートフォンを頼りに住宅地を抜け、田園風景を歩く。Googleマップ「ここが駅への最短ルートやで」「えっ先生、これ、線路じゃないすか」「そんなんわし知らん」「…また騙された!」

通りを大回りして線路を横手に見ながら歩き、のぼり列車の過ぎ去るのを見送りながら、住宅地の中にある小さな駅になんとかたどり着きます。

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時刻表をみると、恐れいていたことが発覚。なんと次ののぼり列車は40分後であるぞ。
くだり列車が先に来るので、時間つぶしに終点・阿字ヶ浦駅まで行って、そこから始発のぼり列車勝田行きに乗るのが良さそう。

待つこと数分、くだり列車が駅に入ってきました。待っていたよ!
絶景ポイント(駅)でパシャ。

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すっかり童心にかえって電車にのりこみ、一駅区間の風景を楽しみました。

阿字ヶ浦駅は磯崎駅よりは少し大きく、近くに温泉施設もあるみたいで、このあたり中心にうろうろするのも良さそう。一眼レフカメラを片手に電車をまつ人の姿もあって、平磯駅でよそ者感満載だった私は、ほんの少しほっとしたのでした。

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勝田駅行きのぼり列車が駅を出発する頃には、日もどっぷり暮れて、ずいぶん満喫した阿字ヶ浦さんぽでした。

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