日々帳

140字で足りないつぶやき忘備録。

2015年映画 見たものまとめ

2015年公開の映画まとめ。順位づけするのはどうも苦手なので、ランキングってわけではないけど、気に入った作品とか、大御所感のあるものをなんとなく上にしてます。あと、2015年に見た映画くくりにすると、古い映画もちょろちょろ見たなあってなるので、そういうのは省いてる。

ツイッターでランキングづけしてるのを眺めてると、クリードまだ見てないなとか、キングスマン結局見なかったなとか思って。そういう意味でもランキングつけづらかった。ことし見たものまとめみたいな感じです。感想書いてないものもけっこうあったので。

ストレイト・アウタ・コンプトン

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コンプトンはカルフォルニア南部のアメリカでもっとも犯罪率の高い地域。そこから頭角をあらわしたヒップホップグループ、N.W.A.の成功とその後を描く。米国では3週連続1位の大ヒットで、音楽の伝記ものでは、エミネムの「8 Mile」累計興行収入を抜き去って、史上最高額なのだとか。

ヒップホップ詳しくなくても面白いし、詳しい人はもう絶対見るのおすすめ。 こう書くと響かないだろうなあと思いながら書くけど、仁義なき戦い広島弁での舌合戦みたいなかっこよさと、シティ・オブ・ゴットの壮絶な環境の青春もの的な感じもあってね、個人的にはばっちりはまった作品でした。


マッドマックス 怒りのデス・ロード

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最近、ミュージックビデオか映画かよく分からない作品が多いと思うんですけど、マッドマックスもその系統ながら、でもストーリーやキャラクター設定がたんなる簡素化ではなくて、本当に切り詰めたんだろうなっていう濃縮度があって、素晴らしかったです。

そういえばジョージ・ミラー監督が、音楽のような映画を意識したってどこかで言っていたと思うけれど、その通りの出来で、始まってから終わるまで轟音の流れにいるような。今年のナンバーワンってくくりが申し訳ない、10年に一度の傑作というほどの作品でした。

ちなみに休日にしばしば通っている新文芸坐では、マッドマックス1・2を上映してくれて、1もそれなりにマッドだったんですけど、2のあの、いきなり突き抜けた感じ。当時リアルタイムで見た人たちの、一気に血が沸騰するさまを追体験できて、とても感慨深かったです。


スター・ウォーズ/フォースの覚醒

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前にSWファンの知人と話していて、ファントム・メナスをあまりに低評価するので、ep4だってけっこうな楽観主義だったじゃんって言ったら「わかってないやつとは話したくない」と言われてしまった。

後日、新作の感想を聞いたら「5億点」ですって。かわいい。ついまたいじわるしたくなって、「ep4の焼き増しって評もありますが」って聞いたところ「それでいいんですよ」と涼しい返事。「新シリーズはらせん構造なんです。繰り返しているようだけど、新しいステージに移っている」とのこと。

来年はハリウッド版ゴジラのギャレス監督でスピンオフ、ついでep8「LOOPER/ルーパー」のライアン・ジョンソン、ep9「ジュラシック・ワールド」コリン・トレボロウと、新鋭監督を投入して息つく暇なくファンを楽しませてくれると語ってくれました。さすがディズニー、すさまじい資本力ですね。


イミテーション・ゲーム

すっかり去年の映画かと思ってたら今年だった。 ナチスの暗号の解読に挑んだ数学者アラン・チューリング。暗号解読という難問を仲間と衝突しながらも解いていくストーリーを主軸に、幼い頃の大切な友人との思い出を交差させて、ふたつの物語はラストのシーンで結びつく。彼の一途さやそれゆえの孤独が鮮やかになる終盤、涙なしに見れない作品でした。


セッション

J・K・シモンズ演じる鬼教官がすさまじい迫力。短い映画だったなあと思ったら、普通に106分とかある。ジャズミュージシャンをめざす学生の映画なのに、ずっと緊迫しっぱなしでした。芸術の高みをめざすために、負の感情をエネルギーの糧にするというあたり、古い韓国映画の傑作「風の丘を越えて」を思い出し、正しさの中におさまりきらない芸の業みたいなものを感じたのでした。


野火

海外の方が受けそうと思ったけど、国際映画祭ではスプラッターすぎると言われたりしたよう。マッドマックスFR同様、物語の背景をそぎ落としてて、シチュエーションだけを描くので迫力があった。芋の取り合いとか、シリアスな中に可笑しみがあるところに、塚本監督の人柄が透けて見えるようでした。


ワイルド・スピード SKY MISSION

事前知識なしでなんとなく見に行ったんですけど、ポカーンでしたよ。ムキムキのスキンヘッドが主要キャラで三人くらい出てくるし。でも見終わった後の全能感すごいの。知らなかったけど、車って空飛ぶんだなって。ラストも少し切なくていい感じに終わる。その後いろいろエピソード知って、締めのシーンのどことなく寂しい感じを理解するなど。ほんと不思議な映画でした。


美術館を手玉にとった男

マーク・ランディスは絵画の贋作を制作しては、せっせと美術館に寄贈した米国一有名な贋作者。すごく面白かったので、感想は別に書こうかな。書かないかもな。ランディスへの取材が始まってから事態に進展があって、作中ではその展開も追うことになります。彼を追うあまり学芸員を解雇されてしまうレイニンガーとの成り行きなど、ドキュメンタリーと思えないスリリングさがありました。


その他

反戦か賛美かと話題になった本作、基本路線は反戦だけど、なんといっても従軍経験もあるイーストウッド監督、ラストの星条旗のシーンはあらがいがたい美しさがありましたね。ひとつの作品がこれだけ明朗に矛盾をはらんでいるというところで、印象的な一本でした。
 

実在する旧ソ連の伝説的スナイパー、リュドミラ・パブリチェンコを描く。原題は「セヴァストポリの戦い」ですが、同年の話題作に完全に乗っかったタイトル。でも割と、一人の天才的狙撃手が国家を背負うといういびつさなど、共通するテーマも見えて、うまい邦題かなと思いました。ロシアの映画だけどハリウッド作品みたいなしっかりエンタメ。
 

スパニッシュ・ミステリー「マーシュランド」、スペインの片田舎アンダルシアで起こる姉妹の誘拐殺人事件。犯人を追うも、地方の閉鎖的な人間関係に難航する。構成自体は新しくはないけれど、フランコ政権崩壊後のスペインという舞台設定がおう政治色とか、湿地が広がるアンダルシアの独特な風景とか、光のない夜の田舎道でのカーチェイスとか、とかく独特の味わいある作品でした。
 

クリムトの「黄金の女」を所有していた一家が、ナチスの台頭でウィーンを追われてしまう。オーストリア政府が、当時収奪された作品の返還を打ち出したことから、当時一族の娘だった女性は甥の弁護士に相談するが、オーストリアモナ・リザとまで言われるこの作品だけは、どうも簡単にはいかない様子。

絵画の返還を求める現代と、ウィーンでの家族との日々とその離別という過去の時間軸が交互に描かれ、物語の二重奏が終盤のピークへ向けて高まっていくなど、ストーリーの構成がきれいな映画でした。

 

アウシュビッツから生き残った女性が、夫と再会するものの、彼は顔の傷から整形手術をしている妻に気づかない。そればかりか妻のふりをして遺産の受け取りの手助けをしてほしいと持ちかけてきて。果たして夫はあの日、裏切ったのか、それともあれはただの悲しい事故だったのか。個人的にはすごく好きな作品。でも万人受けではないなあと。恋愛のほろ苦い経験があると、たぶん心にしみるはず。
  

秩序と無秩序、ローマと北方ヨーロッパ、理性と恋愛。個人的にインスピレーションが大いに刺激される作品でしたが、ストーリーは思ったよりライト、というか、こてこてのラブストーリーでした。
 

美しい女性の弾いているピアノのそばに立ち止まって、ふと旋律に合わせて歌う。曲が終わると、しばし物思いにふけって「別れの曲だ」。その一瞬に恋をしても、自分からふられたことにしてしまう偏屈もののターナー。そんなちょっとしたやり取りの積み重ねを淡々とつないで描き出していく、愛に恵まれなかった画家ターナーの、愛の物語。ラスキン親子との会話など、実際のエピソードもとりまぜながら描いて、美術ファンは楽しめるだろうけど、そうじゃない人はちょっと退屈かも。
 

英国の国立美術館ロンドン・ナショナル・ギャラリーのドキュメンタリー。美術館を支えるスタッフや来館者を取材する180分。絵画のガイドスタッフ、ワークショップの企画、絵画の修繕、研究者…カメラの回っている間、映っている人物はずっと何か話していて、聞き逃さないように身構えると、すっかり疲れてしまう、でも充実した3時間でした。
  

急に思い出したけど、今年映画館に通うきっかけとなったのがこの作品でした。このときシネコン会員カードつくったんでな。泣どころ作ってるわけじゃないのに、ほろっとくる不思議。扇風機と桜のシーン綺麗だった。「幻の光」見たとき、女性の心の描き方に、この監督さん絶対女だと思ったら男の人だった。四人の姉妹の心の動きが、鎌倉の風景に重ねて丁寧に描かれて、とてもよかったです。
 

ひとりの少女の中にある感情の葛藤を擬人化したキャラクターで描く、ピクサー二年ぶりの新作。子ども向けに作られているようで、感性豊かな幼い頃を思い出してしまう、大人向けの物語に感じました。子どものころ心の中にいたイマジナリーフレンドや、悲しみという感情が大切なこと。ライリーがボロ泣きするところで、もらい泣きするみたいなね。
 
http://dvd.paramount.jp/terminator/

冒頭でスカイネットが起動するシーンが入るんですけど、われわれ子どもの頃から見てきたわけじゃないですか、審判の日を。だから、大人になって映画館の迫力の大画面で見ると、あれっこっちが現実なんじゃない? って、一瞬混乱しましたよね。

キャメロン監督のターミネーターはイエス誕生の物語を本歌取りにしてるんですって。ジョン・コナーはずっと人類の救世主って呼ばれてたし、機械の反乱は審判の日。赤子の命を狙うのはヘロデ王の兵士たちという具合。ジェニシスはどうかっていうと、ターミネーター1を本歌取りしたっていうね。ターミネーター1みずからが古典になったんですね。うまいこと言った。

 

あの助手の女のひと何も悪いことしてないのに、あんなことに。
 

予告の飛行機のシーンが物語の冒頭で、アクションどんどん見せつけていきまっせ感すごかった。
 

皇居のロケが京都御所なところが面白かった。
 

神話と主人公の成長を重ねたストーリーは好きなんですけど、酷評の嵐でしたね。後半見ようと思ってたら、毎回楽しみにしてるニコ生の放送で「4DXで見ると途中揺れたりして起こしてくれてちょうど良い」とか「スクワットしながらDVDで見るくらいがいい」とか言うので、DVDで見ようかななんて…
 

旧ソ連で実際にあった事件をもとにファンタジックに描いた作品。これ見た数日後にカザフスタンのドキュメンタリーを見て、カザフスタンって、旧ソ連の灌漑事業でアラル湖が干上がって、漁船が荒地に放置されてたり、ネズミの繁殖でペストが広がったりしてすさまじい状況なんだけど、そういった理不尽さを訴えるのに、いっけん牧歌的なファンタジーの手法をつかうのも、なんかすごい理解できた気がした。
 

遠く離れた惑星に調査団として送り込まれた地球人のひとり、ドン・ルマータは神のごとき存在とあがめられながら、政治に介入することはできずにいる。目の前で繰り広げられる権力者の蛮行や搾取に、彼らの正しき理性を信じて辛抱強く待つのだがーー。

他の惑星としながら、明らかに描かれているのは私たち自身。ドン・ルマータのシニカルな眼差しが、じょじょに未開の人々の狂気にのまれていく展開も、引き込まれるところ。

しばしば登場人物がカメラ目線なのは、メタフィクションを思わせてるのだろうか。調査団のカメラとも考えられそうで、構造的に謎を残しているのも、もう一回見たいと思わせるポイントだ。けして途中で寝たからではない。そういえば前述の映画好きの知人が、おりにふれて話す、三回も見た難解な映画「惑星ソラリス」の感想を「寝た」以上に語ってくれないのも、どこか秘密主義めいているのである。

見たかったけどすっかり見逃した映画

こういう美術ものにめっぽう弱い。急な予定で見に行けなかったけど、川崎でまだ上映あるみたい。

気になりつつスルーしてしまった。これも見逃し映画祭で上映あるから、予定が合えば。

キング牧師の伝記映画。

ロボットに心はあるか問題

評判よかったので。

上映されてたの気づかなかった。

一作目は見たんだがなあ。DVDまとめて借りるときのダークなやつに混ぜるとちょうどいい感じよね。

これ行きたかったの、音の作り込みが気になったから。劇場で見ないとだったなあ。