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日々帳

140字で足りないつぶやき忘備録。

山梨宝石博物館 @ 河口湖

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10月の連休は諸用で河口湖へ。
タイミング的に富士登山電車が河口湖駅にいちばん早く着くようだったので、レトロモダンな電車に乗ってきました。

大月駅から河口湖までは50分ほど。長いなあと思っていたけど、客室乗務員さんの旅のガイドを聞いたり、途中休憩の駅のカフェで暖かい珈琲を買ったりしていると、乗車時間はあっという間でした。

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観光の下調べをしてなかったので、宿でもらったパンフレットをベットの上で広げながら、どこに行こうかな? と、山梨宝石博物館は、目に入ってすぐ「これだ!」と思った場所です。

駅からレトロバスで博物館の前まで10分ほど。小さな展示室でしたが、点数は豊富で、おまけに撮影可とのことで、かるく1時間は過ごしてしまいました。

宝石のカットの種類とか有名なダイヤモンドの原寸大モックとかあって、宝石好きの人にももちろん楽しめると思うのですが、鉱物好きな人はなおさらでしょう。宝石やパワーストーンを見ることはあっても、学術よりに鉱石を眺めるのはたぶん初めてです。

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展示室の半分は、鉱物とその加工品である宝石を展示。この平凡な石がこんな美しい宝石に! という驚きもあるのですが、石じたいの美しさにも見入ってしまいます。

鉱物の名前が好きで、wikipediaの鉱物の項目ばかり眺めていた時期があるのですが、実際を見てみると、おお、あれがこれだったかと嬉しくなったり。月長石、日長石は原石そのものもわずかに濁りながらも透き通ってて、月の石、太陽の石と名づけられたのも、わかるような気がします。

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でも、いいなと思ったのは、岩石にまざった鉱石たち。とくに緑柱石のモルガナイトやアクアマリン、ヘリオドールは好みでした。薄淡いピンクのモルガナイトは、黄色味がかった長石らしき母岩と一体になって、薔薇色の印象。白と青のとりあわせが美しいアクアマリンは、たぶん石英の母岩。

前に地層を特集した番組で、中東あたりの岩場に、銅の鉱脈がずっと続いている様子を見せていて、まるで大地のなかの河みたいでした。見えざる河は、しかし、人類の歴史を左右してきた河であったかもしれない。母岩つきの鉱石が好きなのは、大地から切り離されていない感じがするからかも。

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宝石とその原石を眺めたあと、展示室の半分むこうは、採れたままの鉱石を展示します。

いろいろな種類の水晶クラスターの展示がありました。とくに目を引いたのが、山梨県の乙女鉱山で産出した双晶の水晶。2つの水晶が84.33度で接したものを日本式双晶というそうで、稀に出現するξ(クシー)面をもとに、向きを変えて形をなした造形の奇跡です。

アメシストの晶洞石も数点展示。触れこそできませんが、間近で眺め放題でした。

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ほかにも、針のように細い鉱物をふくんだルチル・クォーツ、結晶が放射状に花開いたアメジスト・フラワー、割れやすくて加工ができない方解石など、本当にたくさんの鉱石が並んでいました。

無機物であっても、時間の刻みを身のうちにもっているように感じさせます。無機質なのに生きているようで、地球の細胞という例えもしっくり。ものによってはグロテスクなものもありました。感じ方次第かな。今にもめきめきと成長しそうな鉱石たちでした。

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江戸時代後期に京都の玉造り職人に伝えられて、水晶の加工業がはじまった山梨県。今日では国内3分の1のシェアをになう宝飾品出荷額となり、世界へも輸出されるのだそう。そんな資料的な展示も幾つかあって、とくに産地ごとに鉱石を配置した日本地図はマニア感ありました。

なお、雑誌、メディアなどの撮影には許可がいるようで、ブログ、SNSは商用利用でなければ大丈夫とのこと。不安に思って尋ねたのですが丁寧にお答えいただきました。この場にてお礼もうしあげます。

朝から出かけて、博物館をでたのが午後まわったくらいでしょうか。河口湖をもう少し見てまわれそうな時間で、ふたたびレトロバスにのって、周遊コースの終着点、河口湖自然生活館へ。富士山のビューポイントには、ここがいちばん良さそうな気がしました。

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富士山の見えるカフェは、本当に目の前に河口湖と富士山の絶景です。あいにく曇りで少し肌寒かったのですが、ウッドテラスで温かい珈琲を飲みながら、撮影に興じる人びとを眺めるなど。

季節がもう少し深まれば、紅葉や赤く染まったコキアを見ることができたかな。コスモスやススキが秋の風情をかもしていましたが、山はまだ青くて、空は薄曇り、なんだかしょんぼりした色彩の河口湖でしたが、これも侘びか寂かと、湖の向こうの富士山を眺めたのでした。

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帰りしな、点々と寄り道しながら、最後に河口湖美術館へ。広い庭園にある小ぢんまりした美術館でしたが、時間が足りず、ガラス張りのカフェで30分ほどお茶だけいただきました。寄り道せず、まっすぐ来ればよかったな。

庭園には散歩やジョギングの人の姿があって、観光の喧騒から少しへだたったような穏やかさがあります。美術館を出てしばらく、暮れていく河口湖を眺めていると、1日ももう終わりかとしんみりしてしまった。

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この季節の河口湖のイメージにあってる気がした曲。


関連URL

情報量もふんだんなのに、見せ方がすっきりしてて、偏集やらウェブのお仕事やらしてる人なのかなと思ってしまうほどでした。

徳島県立博物館 / ミネラルズ : トップ
このコンテンツは 2006 年 4 月に開催された徳島県立博物館企画展「ミネラルズ - 不思議な、きれいな、そして意外に身近な鉱物の世界 - 」 展示解説書を HTML 化したものです。
http://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/bb/chigaku/minerals/

公立の博物館のコンテンツなので、ある程度俯瞰にたってまとめられています。この企画展に行ってみたい。

倉敷私立自然史博物館>地学のページ 地学コンテンツがやけに情報豊富で腰を抜かす。どんどん潜っていく構造がたまらない。

iStone 鉱物と隕石と地球深部の石の博物館
この博物館では、素朴な美しさが魅力的な宝石と水晶の原石、不思議でユニークな鉱物、地球と太陽系の起源および進化の謎を秘めた岩石と隕石、元素の鉱石などを紹介しています。高価な宝石でも小さい原石なら小遣い程度で購入できることが、石集めの魅力です。また、石は天然物であり、この世に同じものは存在しません。つまり、予算に応じた投資で大きな満足感が得られる趣味。それが石集めです。
http://www.istone.org/

日本式双晶 - iStone