日々帳

140字で足りないつぶやき忘備録。

わたしの好きだった渋谷系

渋谷系特集 #1「渋谷系はかっこいい」 - 音楽だいすきクラブ
POiSON GiRL FRiENDSなつかしい。ものすごい好きだったので、ちょっと興奮した。

わたしの育った島ではNHKしか入ってなくて、民放2チャンネルとケーブルテレビが入ってきたのはほぼ同じ時期。NHKしかなかった生活にとつぜん流れ込んできたスペースシャワーTVやらMTVの世界はめちゃくちゃかっこよかった。

ときはJPOP最盛期。新しいもの、今までと違う音楽を、音楽専門チャンネルのなかに探していた。
そんなわけで、ごく自然に渋谷系を聴くようになったんだと思う。

とはいえ、渋谷系の王道はあんまり聴いてなかったかも。
たまに渋谷系まとめな記事があるとつい読んだりするけど、それも好きだけど、こっちにも言及してほしいなあって思ったりする。

なので、わたしの好きだった渋谷系ってくくりでまとめてみます。

カヒミ・カリィ


Kahimi Karie - My Suitor (live) - YouTube


April March - La Chanson De Prévert (1995) - YouTube

少女時代すごく厳しい家庭で、そんな中でも海外の映画を見るのが楽しみだった、とむかしラジオで本人が語っておられた。ヨーロッパ、とくにフランスの映画が好きで、そこからフレンチ・ポップを聴くようになったんだという。
彼女の楽曲はフレンチ・ポップに限らないけれど、当時の私にはフレンチ・ポップの独特の憂鬱さがかっこよくて、そこに強くひかれた。
思い返すと渋谷系というより、カヒミ・カリィとその周辺が好きだったのかもなーと思う。

一曲目はベルギーのberntholerというユニットのカバー。
カヒミ・カリィがラジオでよくかけてて、ずっと後になってアルバムにもカバー曲が収録された。

彼女が深く傾倒したのがフランスの音楽家セルジュ・ゲンズブール
ゲンズブールの曲は好きな曲いろいろあるけど、この曲はたまにすごく聴きたくなる。
というわけで、二曲目はアメリカの女性シンガー、エイプリル・マーチの「La Chanson De Prevert(プレヴェールに捧ぐ)」。ゲンズブール曲のカバー。
ちなみにエイプリルマーチの曲*1は、タランティーノの映画でも使われてたりする。CDショップ探しても売ってなくて諦めてたけど、今はamazonで買える!たぶんタランティーノのおかげ。

ラヴ・タンバリンズ


Love Tambourines - Love Me Deeper - YouTube


El-Maloエルマロ_WUJS16_Tambourine of Love - YouTube


04_rain - YouTube

クルーエル・レコード渋谷系のミュージシャンとも関わりの深かった日本のインディーズ・レーベル。カヒミ・カリィラブ・タンバリンズのELLIEは当時クルーエル・レコードのツートップ歌姫で、雑誌で対談したりしてた。
ウィスパーボイスのカヒミ・カリィとはうって変わって、ELLIEは情熱的でソウルフルなボーカル。

解散が決まった直後のマキシシングルのラストナンバー。
二曲目はEL-MALOとのコラボ。この曲でラブ・タンバリンズを知った。かっこいい。
一番好きだったのはRainという曲で、レコードだったらこの曲だけで針先がすり切れるんじゃないかってくらい聴いた。(前の室内ライブのは非表示になっていたので、野外ライブのものを再掲載)

Port Of Notes畠山美由紀


Miyuki Hatakeyama Reflection - YouTube

同じくクルーエル・レコードから。ボーカル畠山美由紀はソロでも活動している。
初めて自分でチケット買って行ったのが畠山さんのコンサート。憧れが報われた気分で、すごく感慨深かった。
カバーアルバムの「Fragile」「LIVE AT GLORIA CHAPEL-The Great American Songbook-」が個人的にはお気に入りで何遍も聴いたのだけど、今はもう売ってないみたい。amazonで試聴とデジタル購入ができる。

Fragile   (CCCD)

Fragile (CCCD)

LIVE AT GLORIA CHAPEL-The Great American Songbook-

LIVE AT GLORIA CHAPEL-The Great American Songbook-


POiSON GiRL FRiENDS

アルバム「シャイネス」ではカヒミ・カリィとも親交の深かったイギリス人ミュージシャン、モーマスが制作に参加している。次作「Love me」はセルフ・プロデュース。なぜか、わたしの住んでた島のCDショップにも売っていたので手に入れることができた。
家に帰ってプレーヤーにかけて流れてきた一曲目「Tout est rouge」のイントロに、えっこれ聴いても大丈夫な曲?って戦慄したのを覚えている。毒々しい(けど美しい)曲も多いけど、ミッシェル・ポルナレフのカバー曲「Love Me,Please Love Me」はアレンジの本当に美しい曲。
残念ながらアルバムは廃盤みたい。買っててよかった。

MariMariMariMari rhythmkiller machinegun


MariMari rhythmkiller machinegun - Since Yesterday (Strawberry Switchblade) - YouTube

いかれたBABY / MariMari with HAKASE-SUN

その昔「米国音楽」というインディーズ雑誌があって、米国とうたいながら、米の字は英国国旗にも似ているからブリティッシュ・ポップも扱うとのコンセプトで、でも紙面の半分くらいは日本のインディーズ・ミュージシャンを取り上げるという雑多な雑誌であった。ジャンル的には雑食だけど感性に軸は持ってる感じが良かった。
雑誌を買うと付録CDがついていて、毎号何人かの自主制作の音楽が入っている。これが欲しくて、郵送で取り寄せたりした。

MariMariは「米国音楽」の付属CDに「Since Yesterday」というカバー曲が収録されたところから話題になり、のちにフィッシュマンズのプロデュースでデビューする。
フィッシュマンズが活動休止した後は活動が衰えたたけれど。「いかれたbaby」*2は元フィッシュマンズHAKASE-SUNと映画「人のセックスを笑うな」(2008年)に提供した曲。いろんな想いがつまりすぎていて、体調が万全なときじゃないと聴けない。でもすごく良い曲。

渋谷系が終焉を迎えて、J-POPじたい聴かなくなった後も、彼女の曲はずいぶん長く聴き続けたし、今もたまに聴きたくなる。

渋谷系って?

カヒミ・カリィラブ・タンバリンズ以外は、あんまり渋谷系として扱われることも少ないかも。
Port Of NotesMariMariは、時代的にも渋谷系が終わりつつある中でてきたし。

いま改めて渋谷系ってなんだったのと振り返ると、米国のメジャー音楽以外の洋楽の再発見だったのではと思う。とくにブリティッシュ、スウェデッシュ、フレンチ・ポップなどの。
渋谷系はそれなりに拡大して、その境界線をなくし、そのうちに薄れて消えて行った。渋谷系がなくなっても別段寂しくはないけれど、そこへアクセスすれば多様な音楽が聴けるという場がなくなったなとは思う。

先の渋谷系特集、ピチカートファイブについての記事で「プロデューサー」がその思想性を「ポップアイコン」に乗せて出すという話は、なるほどなーと思った。
小室哲哉もその活躍は90年代後半で、当時コーネリアスの小山田くんたちが「小室ファミリー」を真似て「コーネリアスファミリー」とか「ゲンズブールファミリー」と面白半分で言っていたのを思い出した。プロデューサーとポップアイコンという関係性と見れば、類似性はあるかも。小室哲哉ボーカロイドも、ゲンズブールも。

ゲンズブールフランス・ギャルに提供した「アニーとボンボン」の歌詞には、卑猥な意味が隠されている。のちに歌詞の意味を知ったフランス・ギャルが一時人間不信におちいったというのは、よく知られた話。
ここまでくるといろいろと問題だけど、制作者の思想を「ポップアイコン」にたくすという関係性が倒錯しつつも鮮烈に現れているようでもある。

*1:April March「Chick Habit」(music:Serge Gainsbourg

*2:原曲はフィッシュマンズ「いかれたBaby」(1993)