日々帳

140字で足りないつぶやき忘備録。

2月の風景:春の予兆

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この日はまだ寒かった。晴れだと聞いていたのに、海岸沿いの公園に着いたときには曇り始めていた。特に撮りたいと思うような海の色でもなかったけれど、尾根づたいのウォーキングルートを歩いていると、雲間からこぼれた日差しが、波間に鈍色の光を散らばせていた。

いつも絞りを開放にしてるので、このときは露出をさげて暗めに調整した。波間の光がするどい銀色に変わっていく。南の島嶼の明るい海の色では全然ないけれど、雲の多い冬の夕暮れに光のカーテンをおろす、見慣れた南岸線からの風景だった。

長い雨の季節が終わり、海岸沿いにも小さな花が咲きはじめている。小さな島に新しい季節が巡ろうとしている。人生に重ねて何か詩情あることでも言おうと思っていたが、とくに思いつかなかった。おかげで長らく放置して、3月に投稿するはめになった次第である。

いつか、少女だった日 - ヤギ編

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赤ちゃんヤギ三匹が産まれて二週間、落ち着きを取り戻したはずの小さな牧場で、朝からしきりにないてる子ヤギがいる。様子を見にいくと、母親を探しているのか、小屋の入り口でメーメー鳴く一匹の子ヤギの姿があった。

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前衛俳句のたのしみ

金子兜太さんの訃報を知った3日前、下書きのままで眠っていたブログ記事を思い出して、いまさら引っ張りだしてきた。10年ほど前に見た番組でもお爺さんという印象だったけれど、98歳、なるほど。喧々諤々の討論の中こぢんまり座っていながらも、ぽつりと出す指南が深かった。

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